モバイルバッテリーの安全性、どう見極める?MCPCが「製品の背景」を可視化する新運用をスタート
近年、モバイルバッテリーに起因する発火・火災事故が増加傾向にあります。これにより、「どの製品が安全なのか、どう見極めれば良いか分からない」という消費者の声が高まっていました。

このような状況を受け、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)は、2026年4月に公表した「モバイルバッテリー安全性・品質ガイドライン」に基づき、新たな運用を2026年6月初旬を目途に開始します。この取り組みは、製品の性能や安全性そのものを評価・保証するものではなく、製造工程や品質管理、アフターサービス、使用終了後を含む製品ライフサイクルといった「製品の背景」に焦点を当て、事業者が自らの取り組みを分かりやすく説明するための共通の枠組みを提供するものです。
「製品の背景」に着目した自主適合宣言制度
この運用では、モバイルバッテリー事業者が、安全性や品質確保にどのような考え方や体制で取り組んでいるかを整理し、自主適合宣言制度として機能します。これにより、これまで事業者ごとに異なっていた安全・品質確保の取り組みが、一定の視点で比較・理解しやすくなることが期待されます。
具体的には、MCPCがガイドラインに沿って事業者の取り組み内容を整理・可視化し、一定の確認が取れた場合には「MCPC適合マーク」を付与します。

このマークは、特定の製品の性能や安全性を保証するものではなく、また製品の優劣を示すものでもありません。あくまで、事業者が安全性・品質確保に対する考え方や体制を利用者に説明するための「共通言語」として提供されるものです。製品スペックや外観だけでは把握しにくい「製造工程」や「品質管理」、「アフターサービス体制」といった側面を、一定の視点で整理し、利用者に伝えやすくすることを目的としています。
確認される具体的な項目としては、以下のようなものが挙げられます。
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製造工程やサプライヤー管理など、品質確保に向けた体制
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問い合わせ対応や事故発生時の対応体制など、アフターサービスの考え方
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使用終了後を含め、製品ライフサイクル全体を見据えた安全性への配慮(回収・廃棄に関する情報提供体制など)
これらは、個別製品の安全性を評価・保証するものではなく、事業者が安全性・品質確保にどのように取り組んでいるかを整理するための任意の取り組みです。
本取り組みの位置づけと今後の展望
MCPCのこの取り組みは、法令に基づく認証や既存の第三者認証を代替するものではなく、特定の製品や事業者の優劣を示すものでもありません。また、規制や監視を目的とした制度でもありません。
MCPCは、今後も市場動向や事故情報を踏まえながら、本取り組みの運用状況を検証し、必要に応じて運用方法やガイドライン内容の見直しを行っていく予定です。この取り組みが、事業者による説明のしやすさや、利用者が製品選択を考える際の一助となることを目指しています。
利用者にとっては、製品スペックや価格に加え、事業者がどのような体制で安全性・品質確保に向き合っているかを考える際の一つの視点となることでしょう。
現在、複数の会員事業者から運用への関心や相談が寄せられており、今後、取り組み内容の充実が図られる予定です。MCPCでは、業界向けにガイドラインの運用を進めるとともに、ユーザーにリスクを分かりやすく伝える啓発ロゴの展開にも取り組んでいます。
より詳細な情報や関連資料は、以下のリンクから参照できます。
MCPCについて
MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)は、業界の枠を超えてモバイルコンピューティングを普及促進することを目的とし、1997年に発足した任意業界団体です。スマートフォン等のUSB充電インタフェース安全設計ガイドラインや、モバイル機器安全設計ガイドライン、端末インターフェースガイドラインなど多数の標準化作業を行っています。「IoTシステム技術検定」や「モバイルシステム技術検定」などを通して、モバイル、IoT/AIの普及拡大に貢献しています。2026年5月現在、166の企業・団体が加盟しています。