ワークショップ「FOUND」の概要
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正式名称: The 2nd Workshop on Foundation Data for Industrial Tech Transfer (FOUND)
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開催日程: 2026年9月9日(水)
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会場: Malmö Arena and Malmömässan(スウェーデン・マルメ)
「基盤データ」が実世界AIを動かす
ECCVは、ICCVやCVPRと並び称されるコンピュータビジョン分野の世界三大国際会議の一つです。併設ワークショップの採択には厳格な審査があり、日本の企業研究者が主導する事例は多くありません。
「FOUND」では、近年のAI技術の進化を受け、実世界の課題解決に焦点を当てています。基盤モデル(Foundation Models)がコンピュータビジョンを大きく進展させた一方で、実世界では「ラストマイル」の問題、例えば稀なケースへの対応や運用上の制約(プライバシー、安全性、コスト)から信頼性の確保が課題となっています。
この課題を乗り越えるためには、優れたモデルだけでなく、現実の多様な変動を捉えた「基盤データ(Foundation Data)」が不可欠です。本ワークショップでは、「基盤データの創出」と「実世界への技術移転」を二つの柱とし、特にPhysical AIとWorld Modelsを重点テーマとして議論を進めます。
主なテーマ
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非インターネット/ドメイン固有領域における基盤データの収集・キュレーション・ラベリング
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ドメインに根ざしたデータのための自己教師あり・半教師あり・弱教師あり学習
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ドメインギャップを埋め、希少なコーナーケースを網羅する合成・シミュレーションデータ
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産業実装におけるドメインシフト・OOD・ロングテール分布へのロバスト性
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Physical AIとWorld Models:身体性を持つシステムやインタラクティブなシステムのためのデータと転移戦略
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実世界AIに向けた、実装に整合した評価プロトコルと責任あるデータガバナンス
招待講演者
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Iro Armeni 氏(Stanford University)
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Marc Pollefeys 氏(ETH Zurich / Microsoft Mixed Reality and AI Lab)
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Amir Bar 氏(Imperial College London / AMI Labs)
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Anastasia Varava 氏(SEBx / Link)
ワークショップ採択の背景とスポンサー
このワークショップは、AI技術の産業応用を促進するため、ドメイン特化の基盤データ構築と各分野固有の課題解決を目的としています。2025年のICCV(ホノルル)で第1回が開催され、産業界とアカデミアの連携の重要性が再確認されました。第2回となる今回は、Physical AIやWorld Modelsといった実世界への技術移転に直結するテーマに焦点を当てています。
今回のワークショップは、以下の3社がスポンサーを務めています。
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キャディ株式会社
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Sansan株式会社
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SB Intuitions株式会社
オーガナイザー紹介
本ワークショップは、産業界とアカデミアをまたぐ国際研究コミュニティLIMIT.Labを母体に運営されています。オーガナイザーには、キャディ、SB Intuitions、LINEヤフー、Sansanの研究者に加え、産業技術総合研究所(AIST)、東京大学、Ericsson、Qualcomm AI Research、Woven by Toyota、Google Researchの研究者が名を連ね、国内外の産学が連携して運営にあたります。
福原 吉博 氏(キャディ株式会社 シニアリサーチエンジニア/産業技術総合研究所(AIST)特定フェロー)

「産業界の現場には、既存の汎用的なデータやモデルだけでは解決できない課題が数多く存在します。例えば製造業では、実務で使われるデータがインターネット上にほとんどなく、汎用的なアプローチが通用しにくい領域です。FOUNDは、こうした実問題に向き合う研究者とアカデミアの研究者が議論できる場を作りたいという想いから立ち上げられました。ワークショップを主催し課題を提示・共有することは、産業界とアカデミアをつなぐ有力なアプローチの一つです。」
大竹 ひな 氏(Sansan株式会社 研究開発部 Automationグループ 機械学習エンジニア)

「Sansanではビジネス文書のデータ化に取り組んでいますが、固有の語彙やレイアウト、稀少な漢字など、汎用的なOCRでは読み取りが難しい場面が多くあります。だからこそ、その領域に特化したモデルが求められるのです。FOUNDが主題とする汎用データと産業データのギャップや基盤データの重要性は、日々の課題そのものであり、Sansanとの親和性は非常に高いと感じています。アカデミアと産業界の協働が深まり、互いに良い刺激を与え合える場となることを願っています。」
山口 晃一郎 氏(SB Intuitions株式会社 Principal Research Scientist)

「生成AI技術が各産業に革新をもたらす一方で、Physical AI領域では現実空間のデータ不足が大きな課題です。SB IntuitionsのPhysical AI部では、3次元データの生成やシミュレーション環境、World Modelの構築に取り組んでいます。FOUNDワークショップは、こうした課題解決に向けた最新の研究成果や方向性を共有し、産学が協働して議論する場として大きな意義があります。グローバルな研究者間の連携が進み、Physical AIの社会実装がさらに加速することを期待しています。」
北田 俊輔 氏(LINEヤフー株式会社)

「昨年のICCVに続き、FOUNDをECCV 2026でも開催できることを大変嬉しく思います。日本発のワークショップ提案が採択され、世界の研究者に向けて新たな論点を発信できることを光栄に感じています。基盤モデルが注目を集める中、その性能や信頼性を支える『基盤データ』の重要性は一層高まっています。LINEヤフーでもAIの研究開発を進める中で、データの質や多様性がモデルの価値を大きく左右することを日々実感しています。FOUNDを通じて、データそのものに光を当て、次世代のAI研究を考える契機を作りたいと考えています。」
今後の展望
今回主催を務める4社は、今後もCVPR 2026(VGI・BigMACワークショップ)をはじめとする主要国際会議での継続的な貢献を通じて、コンピュータビジョン分野の最前線を日本からリードしていくことでしょう。