包括協定解除と損害賠償請求開始の背景
Garnish Okinawaは、DMOなんじょうによる一連の行為や対外発表、その後の対応が、包括協定に定める義務に反する重大な問題であると判断しました。この状況を看過したまま協働関係を継続することはできないとし、協定に基づく解除手続きを進めています。
また、DMOなんじょうとの協働でGarnish Okinawaが実施してきた開発、映像制作、Web制作、機材調達、事業準備などの業務、および事業中止によって生じた損害を整理し、損害賠償請求に向けた手続きを開始しています。
公費事業におけるガバナンスの課題
Garnish Okinawaは、南城市・DMOなんじょうをめぐる公費事業の事実関係について、契約書、公文書、法人登記、公開動画、メール、Web記録などをもとに説明を行いました。確認・保全されている資料のうち、一般公開が可能と判断されたものから順次公開されています。
南城市・DMOなんじょう 公費事業検証記録: https://nanjo-record.site/
特に重大視されているのは、DMOなんじょうの筆頭株主である南城市のアドバイザーをめぐる一連の事実関係です。当該アドバイザーは現在、南城市アドバイザーを務める一方、過去にはDMOなんじょうの監査役を務め、関係法人においても役職を有していました。監査役辞任日は、法人登記上2026年3月26日とされています。
Garnish Okinawaは、DMOなんじょうがデータを活用した観光・地域経営やDXを進めようとしていたにもかかわらず、その前提となる事業記録、Web・システム管理情報、権限や責任の所在などを適切に整理・管理する体制が十分に確立されていなかったことが、説明と実態の不一致や責任分界の曖昧さを生じさせた一因であると判断しています。
データ活用を進めるには、情報の管理責任者、意思決定者、記録の残し方、問題発生時の説明責任が明確である必要があります。Garnish Okinawaは、本件を通じてDMOなんじょうのデータ管理だけでなく、その基盤となる経営管理・ガバナンス体制そのものにも重大な課題があると判断しています。
一次資料の照合の結果、当該アドバイザーによるDMO事業計画への関与、監査役在任中に締結された280万円契約、その契約書別紙に同氏の関係法人が「再委託先」として記載されていたことなど、同じ公費事業の中で事業計画、契約、監査、関係法人への関与が重なる事実関係が確認されました。
Garnish Okinawaが確認を必要としているのは、肩書の重複そのものではなく、利益相反がどのように申告・回避・監督されていたのか、責任分界がどのように管理されていたのか、DMOなんじょうとしてどのようなコンプライアンス管理が行われていたのかという点です。

損害賠償請求の具体的な内容
DMOなんじょうからの300万円返還請求に対し、Garnish Okinawaはこれを不当と判断しています。この300万円は、制作・開発業務全体の通常対価ではないとのことです。
XR関連については税込1,006万9,375円の見積が存在し、協議記録では、DMO側が約1,000万円の制作費負担が難しいとしてレベニューシェア方式を求め、DMO側約300万円、Garnish Okinawa側約700万円相当を負担する設計であったと認識されています。事業そのものを中止するならば、この前提自体が失われるという見解です。
Garnish Okinawaは、XRシアター、映像、複数のWebサイト、地域OTA、時代考証を踏まえた人物設定や装束の設計、AI・WebAR、観光データ分析、ガイド制度、サポーター制度、統合技術基盤、事業設計等を進めていました。
同社の試算では、同等事業一式を国内の第三者企業へ通常発注した場合の全体再調達価格は、税別約1億9,750万円、税込約2億1,725万円。中止時点までの既履行業務の通常対価は、完成度、提供状況、進捗等を反映し、税別約5,900万円~9,700万円、中心推計約8,300万円、税込中心推計約9,100万円と試算されています。これは損害賠償請求額そのものではなく、今後、具体的な請求内容・金額を確定する予定です。
既履行業務の詳細については、検証サイトで確認できます。
https://nanjo-record.site/#valuation
情報公開の経緯と今後の展望
会見後、早期の公開が予定されていましたが、関係する公的機関からの照会や資料提供等の依頼に対応を優先したため、公開がこの時期になったとのことです。
情報収集・検証には、Garnish Okinawaが開発したAI基盤「KARI-AI™」と、OSINT(Open Source Intelligence:公開情報を用いた情報収集・分析)が活用されています。KARI-AI™ OSINTは、国・省庁・自治体資料、法人登記、公式Web、動画・SNS、公募資料、報道等を横断照合し、人物、法人、契約、日付、金額、事業の関係を時系列で整理するものです。
今後も、確認が完了し公開可能となった事実から順次情報が追加公開される予定です。また、事実誤認の指摘や訂正要請、追加資料の提供も受け付け、必要と判断した場合は修正内容と履歴を公開するとしています。
XRシアター技術の無償提供
南城市で予定されていたXRシアター事業は中止となりましたが、本事業のために開発されたXR技術基盤、上映システム、機器構成、映像制作手法、多言語化、運用ノウハウ等は残されています。
Garnish Okinawaは、南城市固有の文化資産や第三者に権利が帰属するコンテンツを除き、これらの技術を沖縄県内で導入を希望する地方公共団体、博物館、文化施設、観光関連施設等に無償で提供する意向を示しています。これにより、費用面からXR導入が難しかった地域にも展開し、文化・歴史・観光資源の継承や地域DXにつなげることを目指しています。
XRシアター無償提供に関する問い合わせ先: https://garnish-okinawa.com/contact/
訂正要請・追加資料の提供/訂正履歴: https://nanjo-record.site/corrections/
本件に関する問い合わせ先: https://nanjo-record.site/contact/