展覧会の背景とみどころ
「民藝運動」を推進した宗教哲学者である柳宗悦(1889-1961)は、琉球王家尚家第21代当主・尚昌候との出会いをきっかけに沖縄の工芸に深く魅了されました。1938年以降、4度にわたって現地を訪れ、調査と蒐集を行いました。そこで彼が出会ったのは、沖縄独自の風土から生まれた色彩豊かな染織や、力強くも大らかな陶器といった手仕事の数々です。柳宗悦は沖縄の美を「宝の山」と称し、生涯にわたりその価値を讃え続けました。
高島屋は、1934年の「現代日本民藝展覧會」をはじめ、民藝運動の初期からその芸術論に賛同し、生活の中に息づく「用の美」を社会に提唱してきました。本展では、日本民藝館が所蔵する琉球民藝コレクションを中心に、約100点の作品が系統立てて展示されます。柳宗悦と共に沖縄を旅した芹沢銈介、河井寬次郎、濱田庄司といった民藝運動の作家たちが沖縄から学び制作した作品も紹介され、琉球の風物と民藝運動の精神を会場で体感できるでしょう。
民藝とは
「民藝」とは、1925年(大正14年)に柳宗悦、河井寬次郎、濱田庄司らによって生み出された「民衆的工藝」の略称です。名もなき職人が作った日常の生活道具(器、家具、衣服など)に見出される、健全で健やかな美しさを「用の美」として称える思想および運動を指します。急速な工業化が進む時代において、日本各地の手仕事の伝統を守り、生活を美化することを目指しました。
柳宗悦とは

1889年東京生まれの宗教哲学者・美術評論家。雑誌『白樺』の創刊に携わり、西洋近代美術や文学を日本に紹介しました。その後、朝鮮半島の陶磁器や日本各地で出会った木喰仏などの美に感銘を受け、民藝運動を提唱。1936年には自ら蒐集した工芸品を展示・公開する拠点として「日本民藝館」を開設し、初代館長に就任しました。生涯を通じて、独自の審美眼で新しい美の価値観を社会に提示し続けました。
展覧会の構成
本展は、以下の章で構成されています。
序章 柳宗悦と沖縄民藝との出会い
沖縄紅型の魅力を、紅型衣裳と型紙、柳宗悦自身の言葉とともに紹介し、彼が沖縄に惹かれた原点を探ります。

第一章 琉球の染物
沖縄を代表する染色文化である紅型を中心に、多彩な衣裳や型紙を展示し、色彩と意匠が生み出される背景を紹介します。柳宗悦が魅了された沖縄紅型の魅力に迫ります。

第二章 琉球の織物
芭蕉布や絣(かすり)といった織物を通して、生活に根ざした布の多様性と琉球の織り文化の広がりを紹介します。


第三章 琉球の焼物
壺屋焼や、酒壺、抱瓶(だちびん)、皿や鉢など、日常で使われた器を展示。陶工たちが培った素朴で力強い造形と、地域風土が育んだ独自の土の美を伝えます。



第四章 琉球の風物
踊り着や芝居幕、籠、枕箱、張り子人形など、沖縄の暮らしと芸能に根ざした道具を紹介。生活の道具と表現文化が一体となって育まれた、琉球の風物の豊かさを展示します。




第五章 沖縄と民藝運動の作家たち
芹沢銈介、河井寬次郎、濱田庄司といった民藝運動の作家たちや戦後の作家による作品群を展示します。





映像コーナー
文化映画「琉球の民藝」が上映され、戦前の沖縄の風景や生活の姿、暮らし・芸能が息づく風土を視覚的に楽しめます。
同時開催!展示・即売「民藝展」
展覧会会場に隣接する催会場では、3年ぶりに「民藝展」が開催されます。今年は民藝の理念にある地域性に立ち返り、全国各地の郷土・文化を受け継ぐものづくり、民藝のスピリットを持つ様々な作り手の品々が紹介されます。民藝について理解を深めるトークショーやワークショップも開催予定です。

会期: 2026年9月16日(水)~21日(月・祝) 各日午前10時~午後7時 ※最終日は午後6時閉場。
会場: 高島屋大阪店 7階催会場
主な出展内容:
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各地の民藝の品々
- 小久慈焼、南部鉄器、松本民芸家具、瀬戸本業窯、出西窯、袖師窯、湯町窯、鍛冶工房弘光、小鹿田焼、読谷山焼北窯、琉球ガラス、紅型 ほか
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民藝店・手仕事店
- 鳥取たくみ工芸店(鳥取県)、銀座たくみ(東京都)、くらしのギャラリー(岡山県)、うつわ 暮らしの道具 テクラ(静岡県)、テマヒマ(大阪府)
民藝展の詳細はこちらから確認できます。
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/mingei/
開催概要
展覧会名: 柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝
会期: 2026年9月9日(水)~9月21日(月・祝)
午前10時~午後6時30分(午後7時閉場) ※最終日は午後4時30分まで(午後5時閉場)
会場: 高島屋大阪店 7階グランドホール
主催: 日本民藝館
協力/後援: 日本民藝協会/沖縄県
企画協力: JR東海エージェンシー
入場料: 一般1,200円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料
※入場券はローソンチケット、セブンチケット、イープラスにて販売。会期中は会場の展覧会入場券売場でも購入できます。
※障がい者手帳提示による優待制度があります。
展覧会の詳細はこちらから確認できます。
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/ryukyu_no_mingei_ten/
この機会に、民藝の精神と沖縄の豊かな美意識に触れてみてはいかがでしょうか。