アカマンボウの生態と今回の研究成果
アカマンボウは、リュウグウノツカイと同じアカマンボウ目に属する大型魚類です。銀色に輝く円盤状の体と鮮やかな赤いひれが特徴で、外洋の表層から水深約500mの中層に生息しています。魚類の中で唯一、全身を周囲の海水より高い温度に保つ「全身性内温性」を持つなど、特異な進化を遂げた魚として知られていますが、その生態や生活史の多くはまだ明らかになっていません。
沖縄美ら海水族館では、長年にわたりアカマンボウの繁殖生態の解明に取り組んできました。県内の市場で生殖腺の調査を行うなどして繁殖周期の確認を進め、今回の人工授精へと繋がりました。沖縄近海で漁獲された成熟個体から卵と精子を採取し、人工授精を行った結果、人工ふ化に成功。受精からふ化までの発生過程に関する基礎データも取得されました。

この成果はアカマンボウだけでなく、研究例が限られる大型外洋魚の繁殖や発生を理解する上で非常に重要な知見となります。
ふ化した仔魚と今後の展望
今回ふ化したアカマンボウの仔魚は、全長約7mm。透明で細長い体と、2本の長い腹鰭が特徴です。現在は水族館の「深海探検の部屋」で展示されており、その貴重な姿を間近で見ることができます。

水族館では、今後も仔魚の成長や形態の変化を継続して観察し、摂餌を開始する時期などを調べることで、本種の初期生活史の解明を進めていく予定です。

展示情報
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展示個体: 1~5尾
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全長: 約7.0 mm
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展示場所: 沖縄美ら海水族館1階「深海探検の部屋」
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備考: 生物の状態により、展示が終了する場合があります。
沖縄美ら海水族館は、今後も海洋生物に関する研究を推進し、生物の保全や海洋環境への理解に資する知見の蓄積に努めていくとしています。今回の世界初の成功は、その取り組みの大きな一歩となることでしょう。